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タコスケが、知った風な口をきくブログあるいは頭の悪さを露呈してみるブログ


by takosuke-21

「パッチギ!」 おすすめ度★★★★

 かみさん主催、映画好き友の会第11回鑑賞作品。ちなみに9回は「Mr.インクレディブル」、10回は「カンフーハッスル 日本語吹き替え版」。2本ともなかなか良かったですけどね。特に「カンフー~」は特別にこだわりがない限り吹き替えのほうがおすすめ。字幕に煩わされずにアフォな映像美を堪能できる。

 それはさておき。

 久々に快作と出会った。ナイス。超ナイス。ナイスとしか言いようがない。
 言いようがないというより、何かを褒めるためのボキャブラリーが貧困だからだという説が有力だ。日ごろから何でもかんでもけなしてばかりいるのはそのせいであろう。と他人事のように書いてみたけれどもちろん自分のことである。

 話の軸になるのは、日本人と在日朝鮮人の喧嘩と恋。それが何の変哲もない川を中心に展開して行く。もちろん、その川は半島を南北に分断するイムジン河に見立てられているのに違いない。そこで、登場人物たちは愛を告白したり、打ちのめされたり、大乱闘を繰り広げたりする。このあたり、なかなか暗示的な場面が多い。

 主役たちが抱える悶々としたエネルギーは多分あの時代の象徴のようなもので、彼らが見つけた大切なもの、守るべきものや生き方のためにそのエネルギーが動き出すことで得られる爽快感がこの作品の醍醐味なのだろうけれど、これがまた、完全にスッキリああよかった、というわけにはいかない。

 なにしろ、現実を見てみれば事態はあの頃と少しも変わっちゃいないからだ。

 南北朝鮮はいまだ統一される様子もないし、日本人と朝鮮人の軋轢もある。世界を見渡しても戦争もなくなってはいない。変わったのは、ソ連がなくなったことと、日本全体からエネルギッシュさが失われていることくらいか。

 この作品のキャッチフレーズである「世界は、愛で変えられる。」の「愛」というのは思うに、「恋愛」であり誰もが平和に暮らせればいいと思う「人類愛」であり、ダジャレになるが、社会全体がもつ「気合い」、エネルギーなのではなかろうか。エンディングテーマの「あの素晴らしい愛をもう一度」というのは、つまりそういうメッセージのように思える。
 
by takosuke-21 | 2005-02-17 22:29 | 映画(ネタバレ含)