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タコスケが、知った風な口をきくブログあるいは頭の悪さを露呈してみるブログ


by takosuke-21

「砂と霧の家」 ジェニファー・コネリー度★★★★

 さっぱり観る気がなかったんだけれど、主演がジェニファー・コネリーと知り観て参りました。
 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」でデビュー、「フェノミナ」で初主演。「ラビリンス」でデヴィット・ボウイと共演し日本でも人気を集めました。その後「ロケッティア」「恋の時給は4ドル44セント」のようにアレな作品から、「ホット・スポット」「狼たちの街」「誘惑の恋人たち」といった面白いんだか面白くないんだかはっきりしない微妙な作品が続いておりましたが、「ダークシティ」で復活、「ビューティフル・マインド」でアカデミー助演女優賞を獲得して脚光を浴びました。デビュー来のくらくらするような美貌は今も健在であります。あと、家庭用ゲームソフト「クロックタワー」「同2」のヒロインは彼女がモデルです。たぶん。
 もう大好き。ほんと大好き。未見の作品がまだまだあるので、いずれ観なければとは思っておりますが・・・観たい、ってのがないんだよなぁ。「レクイエム・フォー・ドリーム」くらいはおさえておくか、うん。来年の「仄暗い水の底から」のリメイクらしい、「ダークウォーター」も楽しみですたい。

 あ、「砂と霧の家」か。例によってネタバレ。
 父を亡くし、結婚生活に失敗して自分を見失いつつあるヒロインが、行政の手続きミスで父の形見である我が家すらも差し押さえられてしまった。この家は彼女の守るべき最後の物であったろうし、そうでなかったとしても、住居がなくなるというのは切実な問題だ。なんとか取り戻したい、という彼女の気持ちには十分に共感できる。
 一方の、その家を競売で安く手に入れた亡命イラン人一家。故郷での優雅な生活や軍人としての誇りと、現在の生活のギャップに折り合いをつけられずにいたけけれど、この家を市価で転売することで少しでも安定した生活を手に入れようと望む。行政の手違いでした、で返却できるわけがない。アラブ人である、というだけで差別を受けてきたであろうことから生まれる不信感もあるだろうし、何より住居がなくなってしまうのだ。これも共感できる。
 でも、この両者の思いは解り合えないものだっただろうか。十分に話し合えば、何かしらの解決策は生まれたのではなかったか。しかし運命はそれを許さず、彼らを最悪の結末へと引きずり込んでゆく・・・のかと思いきや。
 抗えぬ何かが生み出す悲劇になら、僕も泣いたろう。誰も悪くない、どうもがいても避けられない結末というのは相当に悲しい。が、今回の悲劇の原因はヒロインに惚れた保安官の暴走とも言うべき勘違いである。しかも一度ならず二度までも。
 これは人の手によって変えることの出来た結末だ。保安官がヒロインにきちんと話を聞いていればあんなことにはならなかったのだ。運命のいたずらで話が聞けなかった、とかではなくて、頭に血が上っていて聞かなかったのである。もう、「おまえが悪い」としか言いようがないのだ。天に召されたイラン人一家と、ヒロインと保安官の残された家族の行く末に同情するばかりである。
 勘違いが生む悲劇は演出次第で喜劇にもなりうる。喜劇にはならなかったけれど、悲劇にもなりきらなかった。非常に残念。
by takosuke-21 | 2004-11-24 01:24 | 映画(ネタバレ含)